【D.O.K. Maltaとは?】知っておきたいマルタワインの原産地呼称と品質基準

【D.O.K. Maltaとは?】知っておきたいマルタワインの原産地呼称と品質基準

ワインのラベルで見かける「D.O.K. Malta」という文字。

Meridiana Wine Estate(メリディアーナ・ワイン・エステート)のワインにも記されているこの言葉は、一体何を意味するのでしょうか。

フランスのAOCやイタリアのDOCと同じように、ヨーロッパのワインには、その土地とワインの結びつきを守るための原産地呼称制度があります。

マルタでは、そのひとつが**DOK Malta(Denominazzjoni ta' Oriġini Kontrollata)**です。

今回は、日本ではまだあまり知られていないDOK Maltaについて、マルタワインの産地、ブドウ品種、テロワール、認証制度とともに詳しくご紹介します。

DOK Maltaとは?

DOKとは、マルタ語の

Denominazzjoni ta' Oriġini Kontrollata

の略称です。

日本語では「統制原産地呼称」などと訳すことができ、ワインが特定の産地と結びつき、定められた生産基準を満たしていることを示します。

EUの地理的表示制度では、「Malta」または「Of Malta」というワイン名が**PDO(Protected Designation of Origin/保護原産地呼称)**として登録されています。つまりDOK Maltaは、単なるワイナリー独自の呼称ではなく、EUの地理的表示制度のもとで保護されている原産地名称です。

ただし、ここで一つ覚えておきたいことがあります。

DOKだから「必ず高価」「必ず誰にとってもおいしい」という意味ではありません。

重要なのは、どこでブドウが育てられ、どの品種を使い、どのような規定のもとで造られたワインなのかを確認できること。

ワインの「出自」を守る制度と考えると分かりやすいでしょう。

DOK Maltaのブドウは「マルタ島産」

DOK Maltaで最も重要な条件のひとつが、原産地です。

対象となる生産地域はマルタ本島。公式のDOK Malta情報でも、使用されるブドウ畑は「From the island of Malta only」と明確に定められています。

マルタ共和国にはマルタ本島だけでなくゴゾ島もありますが、ゴゾ島産のブドウを基礎とするPDOワインには別のDOK Gozoがあります。

さらに、より広くマルタ諸島を対象とする地理的表示としてIĠT Maltese Islandsも存在します。

マルタの公式機関は、品質ワインの主要カテゴリーを

DOK Malta
DOK Gozo
IĠT Maltese Islands

の3つとして紹介しています。

小さな国でありながら、産地によってきちんと原産地を区別しているのです。

使えるブドウ品種にも決まりがある

DOK Maltaでは、どんなブドウでも自由に使えるわけではありません。

白ワイン用品種には、例えば

シャルドネ
ヴェルメンティーノ
ヴィオニエ
ソーヴィニヨン・ブラン
シュナン・ブラン
そしてマルタの土着品種ギルジェンティーナ(Girgentina)

などが認められています。

赤・ロゼ用品種では、

メルロー
カベルネ・ソーヴィニヨン
シラー
カベルネ・フラン
グルナッシュ
そしてマルタ固有の赤ブドウ、ジェレウザ(Ġellewża)

などが規定されています。

ここが、Meridiana Wine Estateのワインを見るうえでも面白いところです。

代表的な白ワイン**ISIS(アイシス)はシャルドネ、赤ワインNEXUS(ネクサス)**はメルローを中心に、それぞれDOK Maltaとして造られています。FENICI WhiteもMeridiana公式でDOK Maltaに分類されています。

収穫量まで規定されている理由

ワイン造りでは、ブドウ畑からどれだけの量を収穫するかも重要です。

DOK Maltaでは品種によって、1ヘクタールあたりの最大ワイン生産量が84または91ヘクトリットルに制限されています。たとえばシャルドネは84hl/ha、ヴェルメンティーノは91hl/ha、赤ワイン用メルローは84hl/haと規定されています。

収量制限は、原産地呼称ワインの生産条件を管理するための重要な仕組みのひとつです。

つまりDOK Maltaは、「マルタで造りました」という表示だけではありません。

産地、ブドウ品種、栽培、生産量、醸造などを含めたルールの中で造られるワインなのです。マルタ農業当局は、DOKの生産規約に最大収量、最低自然アルコール度、栽培方法、醸造条件、化学・官能特性などを盛り込むことを説明しています。

マルタのテロワール——太陽、海、石灰岩

では、なぜマルタでワインなのでしょうか。

地中海に浮かぶマルタは、典型的な地中海性気候。

冬には雨が降りますが、夏は非常に乾燥しており、6月から8月の降雨量は年間降水量のごく一部です。また、周囲を海に囲まれているため海の影響を強く受けます。

土壌も特徴的です。

マルタでは砂質、ローム、粘土質などが見られますが、地下には多孔質の石灰岩が広がっています。また地域によってTerra Rossa(テラ・ロッサ)や、現地でBajjadと呼ばれる石灰質のXerorendzina土壌などが分布しています。

EUに提出されたDOK Maltaの製品仕様書では、土壌、気候、そして海への近さを含む環境の組み合わせが、マルタのワインの特徴と結び付けられています。

強い地中海の日差し。
乾燥した夏。
海からの影響。
石灰質を含む土壌。

小さなマルタ島だからこそ生まれる環境が、ワインの背景にあります。

DOK Maltaはどのように認証される?

DOK Maltaを名乗るためには、規定に沿ってワインを造るだけで終わりではありません。

マルタのAgriculture Directorate(農業局)が、ブドウ畑や収穫、ワイナリーなどを監督し、ワインについてはサンプリングを行い、化学分析と官能評価を通じて生産規定への適合を確認しています。

認証されたDOK Maltaワインには、トレーサビリティのための管理番号を持つ**banderol(認証帯・認証票)**が付与されます。

現在のWines of Malta公式サイトでも、このbanderolは認証されたワインだけに使用でき、一般的にはボトルのネック部分などに貼付されると説明されています。

つまりDOK Maltaという文字の背景には、ワインが産地と規定に適合していることを確認する仕組みがあります。

イタリアのDOCと同じなの?

「DOK」という文字を見ると、イタリアワインの「DOC」を思い浮かべる方もいるかもしれません。

名称は似ています。

しかしDOK Maltaはマルタ独自の呼称です。

ヨーロッパでは各国がそれぞれの伝統的な名称を使用しており、それらがEUのPDO・PGI制度の中で保護されています。

したがって、

DOK Malta = マルタのPDOワインに使用される原産地呼称

と理解すると分かりやすいでしょう。EUのeAmbrosiaにも「Malta / Of Malta」はワインのPDOとして登録されています。

Meridiana Wine EstateとDOK Malta

マルタ島中央部Ta' Qali(タ・カリ)にワイナリーを構えるMeridiana Wine Estate。

Meridianaが現在公式サイトで紹介している代表的なワインの多くには、DOK Malta – Denominazzjoni ta' Origini Kontrollataという分類が明記されています。

Meridiana Wine Japanで取り扱う

ISIS Chardonnay
FENICI White
NEXUS Merlot

も、それぞれMeridiana公式でDOK Maltaに分類されています。

日本ではまだ聞き慣れない「DOK Malta」。

けれど、その文字を知ってからボトルを見ると、マルタワインの楽しみ方が少し変わります。

単に珍しい国から来たワインなのではなく、

「マルタという土地で育ったブドウから、定められた規定のもとで造られ、その原産地が守られているワイン」

だからです。

ラベルの向こうにある、マルタの土地を楽しむ

ワインの魅力は、味や香りだけではありません。

どんな土地でブドウが育ち、どんな気候の中で成熟し、どんな人々がワインを造ったのか。

一本のボトルの背景を知ることで、グラスの中のワインはさらに興味深いものになります。

地中海の太陽と海に囲まれた小さな島国、マルタ。

次にMeridianaのワインを手に取ったときには、ぜひラベルにある**「DOK Malta」**にも注目してみてください。

その短い文字の向こうには、マルタの土地とワイン文化があります。

 

 

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「FENICI White」
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「NEXUS Merlot」
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